オンラインツールを使って写真の背景を変更する方法
被写体がよく撮れた写真でも、背景のせいで台無しになってしまったという経験がある人は多いのではないでしょうか。この記事では、元の背景が気に入らない場合や、違う背景を試してみたい場合などに、簡単に背景を入れ替える方法を紹介します。
背景の変え方を学んで、SNSやECサイト、プレゼン資料などに使用する写真の質と効果を向上させましょう。
【目次】
2ステップで写真の背景を変更する方法
AIによる背景画像生成の仕組み
背景を白や他の色に変更する方法
テンプレート活用のメリット
写真の背景を変更するときのポイント
よくある質問
2ステップで写真の背景を変更する方法
写真の背景を変更するには、まず元の背景を削除して、それから新しい背景を挿入します。新しい背景は、デバイスに保存されている画像やPhotoroomのカタログの中から選ぶか、AIで生成します。
1. 元の背景を削除する
写真の背景がすでに透過されている場合は、この手順をスキップして次のステップ「新しい背景を挿入する」に進んでください。
ステップ1:背景除去ツールを開くか、ウェブ版にサインインします。パソコンがない場合や移動中にスマートフォンで作業したい場合でも、モバイルアプリ(iOS・Android)からツールにアクセスできます。アプリのダウンロードと背景除去機能の利用はどちらも無料です。
ステップ2:「写真から開始」をクリックし、編集する画像を選択します。
ステップ3:画像をアップロードすると、2~5秒後に背景が自動的に消去されます。
この記事では、下の画像を使って背景変更プロセスを説明していきます。ごちゃごちゃした背景を削除して、被写体を引き立てる背景と入れ替えましょう。
ステップ4:「ダウンロード」をクリックして背景を削除した画像を保存するか、画面下部の「編集」をクリックして新しい背景挿入ステップを開始します。
2. 新しい背景を挿入する
写真の背景を変更する方法は、主に「デバイスに保存されている画像をアップロードする」、「背景カタログから選択する」、「AI背景生成ツールを使用する」の3つです。
背景を削除した後、画面下部の「編集」をクリックして編集画面を開きます。新規登録/ログイン画面に移動するので、Photoroomを初めて利用する場合は、Googleアカウント、Facebookアカウント、Appleアカウント、またはメールアドレスを使用して登録します。
ここからは、3つの背景変更方法についてそれぞれ説明していきます。
1. デバイスに保存されている画像を使用する
自分で撮影した写真や入手した画像を使用したいときに用いる方法です。
ステップ1:編集画面の左側のパネルで「背景」をクリックします。
ステップ2:「画像を選択」をクリックし、ファイルフォルダから新しい背景画像をアップロードします。
ステップ3(スキップ可):アップロードした画像を編集したい場合は、編集画面の右側にある「背景」をクリックすると(通常、画像をアップロードすると自動的に背景パネルが開きます)、背景画像のぼかし処理、フィルター・テクスチャ加工、不要な部分の削除、明るさ調整などの操作ができます。
ステップ4:編集が完了したら、画面右上の「ダウンロード」をクリックして新しい画像を保存します。ダウンロードボタンの横にあるテキストボックスでファイル名を変更することも可能です。
2. ライブラリから背景画像を選択する
被写体を引き立てて写真を魅力的に見せる背景を探している場合に便利な方法です。Photoroomでは、テクスチャ、色、柄・模様、風景・自然、アート、イベントなど、様々なテーマに沿った背景が用意されています。
ステップ1:編集画面左側のパネルで「背景」をクリックします。
ステップ2:新しい背景を選択し、必要に応じてぼかし処理、不要部分の削除、明るさ調整、フィルター加工などの編集を行います。
ステップ3:画面右上の「ダウンロード」をクリックして編集済みの画像を保存します。ファイル名を変更するには、ダウンロードボタンの横にあるテキストボックスをクリックします。
ポイント:プロの写真家は、テーマや目的、演出したい雰囲気を意識して背景を選んでいます。英国のクリエイター兼写真家のシルビアも、以下のように語っています。
「何か良いことやお祝い事があるときは、Photoroomで編集した写真を家族に送って知らせています。息子が卒業した日にガレージの前で撮った写真の背景をビーチの画像に変えたときは、達成感と誇らしい気持ちでいっぱいになりました」
3. AIで背景を生成する
特定のデザインやイメージ、コンセプトなどを反映した背景を作成したい場合に最適な方法です。
ステップ2:既存テンプレートから背景を選択するか、画面右上にある鉛筆アイコンをクリックしてプロンプトを入力し、AIでカスタム背景を生成します。
ポイント:プロンプトが思いつかない場合でも、デバイスに保存されている画像をアップロードすれば、AIがその画像をもとに新しい背景を生成します。
ステップ3(スキップ可能):新しい背景画像を生成・適用後、背景設定で調整を行うか、消しゴムツールで不要部分を除去します。
ステップ4:画面右上の「ダウンロード」をクリックして編集済みの画像を保存します。
AIによる背景画像生成の仕組み
生成AIは人間の脳の仕組みとよく似ています。脳はニューロンと呼ばれる特殊な小さな伝達物質を使って機能しています。生成AIモデルでも、ニューロンが連携して大量の情報を分析・学習することで、新たなコンテンツの生成が可能になります。ニューロンにはそれぞれ、データを取り込む入力層、データを分析・学習する中間層(隠れ層)、分析・学習結果を生成する出力層があります。
生成AIに何かを作成するよう指示を出すと、内容を小さな断片に分割し、学習データと比較・照合し、指示通りのものを作成します。これが、ChatGPT、Synthesia、Midjourney、Photoroomの背景生成機能といったツールが、テキストや動画、画像を作成する仕組みです。
AIの精度は完璧ではありませんが、優れたモデルは学習したデータをもとに正確なコンテンツを生成します。さらに処理速度が速く、簡単な操作でユニークなコンテンツを無限に出力できるため、背景画像作成プロセスの自動化・効率化を実現できます。
効果的なプロンプト作成方法
生成AIに指示を出すときは、想像力を働かせて適切な言葉を選ぶことが重要です。
効果的なプロンプト作成のコツを具体例も交えて3つ紹介します。
具体性を重視する:重要な要素や場面設定は、具体的な数、アングルなど、AIが要求を正確に理解できるよう詳しく伝えましょう。プロンプトが具体的であればあるほど、AIの処理精度が上がり、適切な画像を生成できます。
プロンプトの具体例:3台の気球が澄んだ青空に45度の角度で浮かび、緑の芝生に影を落としている背景を作成してください。
特徴を詳しく記述する:ビーチや山、嬉しそうな人物など、画像に含めたい要素を明記することで、作成したいイメージをAIが再現しやすくなります。また、簡潔で分かりやすいプロンプトの作成を心がけましょう。思い通りの結果を得るためには、難しい言葉や長い文は必要ありません。
プロンプトの具体例:たくさんの本、火の付いた暖炉、革張りの椅子、雪景色が見える大きな窓がある居心地の良い図書館をデザインしてください。
ムードを演出する:例えば「晴れ渡った」「不気味な」「穏やかな」などの形容詞を使って演出したい雰囲気を説明しましょう。また、特定の時代や芸術様式を指定するのも一つの方法です。
プロンプトの具体例:水面に木漏れ日が差し、遠くに帆船が浮かぶ、穏やかな印象派風の海景を描いてください。
ポイント:プロンプトが複雑な場合は、上記のコツを組み合わせてみてください。(例:「桜の木に囲まれた静かな池がある森の中を鳥瞰視点で捉えた日本画風の3Dレンダリング画像を作成してください」)
背景色を変更する方法
複数の写真の背景を統一したい場合や、写真にクリエイティブな加工を加えたい場合は、単色の背景を使用するのがおすすめです。
背景色を変更する方法は2つあります。1つ目は、背景色変更ツールを開き「写真から開始」をクリックして画像をアップロードし、表示されるオプションから色を選択した後、編集した画像をダウンロードする方法です。
2つ目の方法は、テキストの追加や写真の加工などの編集機能をフル活用したい場合におすすめです。以下の2ステップで簡単に編集できます。
ステップ1:元の背景を削除する
Photoroomにアクセスし、「背景を削除」をクリックします。画像をアップロードすると、AIが数秒で背景を削除します。
ステップ2:背景色を挿入する
編集画面右側のパネルで「背景」をクリックし、パレットから色を選択するか、HEXカラーコードを入力します。
その後、テキスト追加、画像サイズ変更、盗用防止のためのロゴ挿入などの編集が可能です。作業完了後は画面右上の「ダウンロード」をクリックし、新しい画像を保存します。
ポイント:新しい背景色を被写体になじませるには、「挿入」をクリックして影の追加や明るさ調整、フィルター加工などのオプションを活用しましょう。
背景を白くする方法
パスポート写真、商品画像、ビジネス用プロフィール写真など、白い背景が必要な場合があります。
背景を白色に変更するには、もとの背景を削除して、代わりに白い背景を挿入するだけです。
ステップ1:背景削除ツールをクリックして画像をアップロードします。数秒後ツールが自動的に背景を透過します。
ステップ2:編集画面右上の「背景」をクリックし、画面下部のパレットの白をタップして背景を白くします。
ステップ3:画面右上の「ダウンロード」をクリックして写真を保存します。
ポイント:白い背景は汎用性が高いですが、常に最適な選択肢とは限りません。被写体と背景の色調が似ていると、コントラスト不足で不自然に見える可能性があります。このような場合は、影を追加して立体感と奥行きを出しましょう。
テンプレートの活用
用途に合わせて画像の背景を変更したい場合、カスタマイズ可能で使いやすいテンプレートが便利です。Photoroomには、SNSやECサイト向けなど、様々な用途・場面を想定したテンプレートが用意されています。
Photoroomのテンプレートの使い方は簡単です。
ステップ1:上記の手順で写真の背景を削除すると、編集画面の左上に「テンプレート」のオプションが自動的に表示されます。
ステップ2:表示されたテンプレートの中から用途に合ったものを選択するか、検索バーにキーワードを入力して特定のテンプレートを探します。
ステップ3:テンプレートを選択すると確認ポップアップが表示されるので、「新しいテンプレートを適用する」をクリックします。調整が必要な場合は、テキストやフレームなど、テンプレート内の要素をクリックして編集します。
ステップ4:編集が完了したら、画面右上の「ダウンロード」をクリックして画像を保存します。
テンプレート機能でコスト削減と売上向上を実現するEC事業主、イアン・ネザーコット(Ian Nethercot)氏は、「生活空間をテーマにしたテンプレートは便利です。商品の使用場面が想像できるので、実際に使ったときの魅力なども伝えることができます」と語ります。
背景を変更するときのポイント
写真の背景を変更する際に覚えておくと役に立つポイントを7つ紹介します。
高画質画像の使用:被写体・前景がわかりやすく、明暗の差がはっきりしていると背景を除去・変更しやすくなります。
目的の明確化:演出したい雰囲気、エンゲージメント率向上、販売促進、用途など、背景を変更する目的に沿った編集を行います。
コントラストの強調:例えば被写体が暗い服を着ている場合、明るい背景を選ぶなど、被写体と背景の明暗や色の差をはっきりさせましょう。
ぼかし処理:背景をぼかして被写体に焦点を当てます。シンプルですが、写真を魅力的に見せる効果的な方法です。
細部への配慮:AIは複雑な画像も高精度で処理できますが、髪の毛などの細かい部分の処理は完成画像の質に影響するため、特に背景除去の段階では十分に注意を払いましょう。
試行錯誤: バレンタインデー用など、様々なテーマの背景やテンプレートを試して、うまくフィットするものを見つけましょう。
一括処理機能の活用:複数の画像を同時に編集すれば、作業時間を大幅に短縮できます。
Photoroomを使って実践
この記事で紹介したコツやポイントを参考に、PhotoroomのWeb版またはiOS・Androidデバイスで 写真の背景を変更してみましょう。
背景画面に関するよくある質問
どんな場合に写真の背景を変更するべきですか?
構図の改善や、不要物の削除、特定の用途に合わせた画像の作成など、背景の変更には様々な目的があります。伝えたいメッセージや演出したい雰囲気に合った背景を選択することが重要です。
iPhoneで写真の背景を変更する方法は?
App StoreでPhotoroomのモバイルアプリをダウンロードします。
新規登録またはアカウントにログインします。
「背景を削除」をタップし、写真をアップロードして背景を削除します。
次に、デバイスに保存されている画像を背景として選択するか、Photoroomのカタログから選びます。背景生成機能でカスタム背景を作成することも可能です。
新しい背景を挿入したら、画像をダウンロードして保存します。
おすすめの背景編集アプリは?
背景編集アプリは具体的なニーズに合ったものを選びましょう。時間をかけて作業するならAdobe Photoshop、デザイン機能を求めるならCanva、AIで画質を損なわずに素早く編集したいならPhotoroomがおすすめです。
翻訳/太田晶子

