デザインツールPhotoroomとCanvaを徹底比較!
マーケティングコンテンツを作成できるデザインツールは多数ありますが、その中でも特に人気の高いプラットフォームがPhotoroomとCanvaです。どちらも異なるタイプのユーザーがデザインプロセスを効率化できる機能を数多く備えています。
Canvaは、個人や企業が動画からウェブサイトまで、あらゆる種類の媒体を編集・作成できるプラットフォームです。一方Photoroomは、多様なAI機能を活用してプロ品質の画像を素早く作成できる画像編集ツールです。
この記事では、両ツールを比較し、それぞれの機能や料金体系、使いやすさ、用途などについて詳しく解説します。
どちらのツールを使用するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
PhotoroomとCanvaの特徴と対象ユーザー
どちらも便利なツールですが、用途や対象ユーザーが異なります。
Photoroomとは?
Canvaが汎用デザインプラットフォームであるのに対し、Photoroomは特定の画像編集作業を効率的に行えるAIツールです。操作が簡単で用途がはっきりしているため、他のデザインツールの複雑な機能を使いこなせないユーザーでも使用しやすいでしょう。
一番の特徴は、商品画像やマーケティング資料、SNSコンテンツなどの作成に便利な高精度の背景除去機能です。Photoroomにはモバイル版とWeb版があります。
Photoroomの対象ユーザー
Photoroomは主に以下のユーザーを対象としています。
ECサイト出品者:Amazon、Etsy、eBay 、Shopifyなどのプラットフォームで使用する商品画像は、見やすく購入者の興味を引くものでなくてはなりません。EC向けAIツールを活用すれば、商品写真があっという間に完成します。
インフルエンサーやコンテンツクリエイター:コンテンツをSNSに投稿するユーザーは、高品質な画像を短時間で何枚も作成しなければなりません。画像編集が簡単に行えるPhotoroomを使用すれば、コンテンツ制作にかかる時間を短縮できます。
中小企業の経営者:特に物販業界では、数多くの中小企業がPhotoroomを使用してオンラインストアやカタログ用の画像を作成しています。
商品撮影専門フォトグラファー:ポートフォリオやクライアントに提出する納品物の写真などでは、被写体が引き立つように背景を編集しなければならない場合があります。Photoroomでは、画質を損なわずにこのプロセスを素早く行えます。
クリエイター:芸術作品やアクセサリーの写真は、白や補色の背景を入れると被写体が引き立ちます。展示会や販売用に作品の写真を編集すれば、魅力的なプロモーション資料を作成できます。
Canvaとは?
Canvaは、個人や企業、教育機関などを対象とした一体型デザインプラットフォームです。その最大の魅力は、高い操作性と種類豊富でカスタマイズ可能なテンプレートです。Photoroom同様、モバイル版とWeb版での利用が可能で、一部の機能にはAIも活用しています。
Canvaの対象ユーザー
スタートアップ企業:プロのデザイナーを雇う予算がなくても、豊富な機能やテンプレートを利用すれば、プロ品質のマーケティング資料を作成できます。
マーケター:様々なビジュアルコンテンツを時間をかけずに作成できるため、大小の企業で働くマーケターがCanvaを利用しています。コラボレーション機能を活用すれば、共同作業や大量のコンテンツ作成が効率よく行えます。
教育関係者・学生:教育機関においては、主に教材を作成するためにCanvaが頻繁に使用されます。また、教員だけでなく学生も、課題や発表、履歴書のデザインなどにCanvaを活用しています。
代理店:代理店の場合、ピッチデッキの作成やクライアントへの提案用モックアップの制作など、多様な目的でCanvaを活用しています。チームでのプロジェクト管理や、クライアントとのデザイン共有などでは、コラボレーション機能が活躍します。
CanvaとPhotoroomの主な違い
それでは、両ツールの違いを見ていきましょう。
主要用途: AI写真編集・加工が中心のPhotoroomは、特に商品画像の作成に向いています。一方Canvaは、あらゆる種類の個人用・業務用のビジュアルコンテンツをデザインする機能を備えています。
ユーザー層:Photoroomは主にECプラットフォームの出品者の間で人気があります。一方Canvaのユーザー層は、趣味で利用する個人から大企業まで多岐にわたります。操作がしやすく機能が豊富なため、デザイン経験の有無を問わず、あらゆるユーザーが利用できます。しかし、近年では小規模のデザインチームの多くがCanvaからPhotoroomへ移行しており、その理由として、Photoroomには小グループ特有のニーズに対応できる機能があることが挙げられます。
使いやすさ:Canvaでは、ドラッグ&ドロップ操作で簡単にデザイン内の要素の配置・編集・調整ができます。一方Photoroomは、複雑な画像編集をAIで自動化しているため、背景の削除や入れ替えなどの作業が効率的に行えます。
プラットフォーム形態:Canvaのメインプラットフォームはフル機能のWeb版アプリで、どのブラウザ上でも利用できます。iOSとAndroidデバイス向けのモバイルアプリもあり、Web版のほとんどの機能を利用できますが、機能をすべて理解していないと、モバイルアプリの操作はやや複雑かもしれません。また、WindowsとmacOSユーザー向けのデスクトップアプリもあります。
一方、PhotoroomはiOSとAndroidデバイス向けのモバイル版が主流です。移動中にも画像編集やコンテンツ制作が行えるよう、モバイルアプリの機能が充実していますが、Web上での使用も可能です。
Photoroom | Canva | |
---|---|---|
デバイス互換性 | Android、iOS、Web版 | Android、iOS、iPad、macOS、Web版、Windows |
使いやすさ | ほとんどの作業でワンクリック編集が可能。モバイルデバイス上で作業がしやすいデザイン。アプリはCanvaのモバイル版よりも見やすい。 | ドラッグ&ドロップ操作での編集作業。モバイルアプリでは一部の機能や要素が見つけにくいため、パソコンやワイドスクリーンでの使用に適する。 |
対象ユーザー | ECサイト出品者、中小企業経営者、コンテンツクリエイター、芸術作品クリエイター | 代理店、マーケター、グラフィックデザイナー |
用途 | AI写真編集・加工 | ビジュアルデザイン全般 |
画像調整ツール | あり | あり |
テンプレート | あり | あり |
コラボレーション機能 | リアルタイムコラボレーション、コメント・タグ付け、ブランドキット、共有機能、Teamsプラン(年間¥9,900~) | リアルタイムコラボレーション、コメント・タグ付け、ブランドキット、共有機能、Teamsプラン(年間¥15,000~) |
無料版 | あり | あり |
有料(Pro)版 | 週間¥600、月間¥1,500、年間¥9,900 | 月間¥1,180、年間¥83,000 |
一括編集機能 | あり | あり |
AI機能 | あり | 一部のツールのみ |
Photoroomの機能概要
高品質の画像を効率的に作成できる便利なAIツールを紹介します。
スマートテンプレート
Photoroomのテンプレートは、種類豊富でカスタマイズ性にも優れています。季節ごとのカテゴリーが随時更新されるので、ラインナップには常に最新のテンプレートが表示されます。また、「トレンド」カテゴリーでは人気のデザインを紹介しています。
用途はECサイトやSNS、マーケティングなど多岐にわたり、テーマの選択やキーワード検索が可能です。編集方法は簡単で、テンプレートのダミー画像とテキストを使用するコンテンツと入れ替えるだけです。
背景除去
Photoroomの機能の中で一番よく知られているのが背景除去ツールです。複数の被写体や髪などの細かい部分も背景と区別できる精度の高さが、多くのユーザーから評価されています。アプリに画像をアップロードすると、AIが被写体を検出し、背景のみを削除します。

背景生成
商品画像やポートレート写真などの被写体を引き立てる、リアルな背景をAI生成するツールです。
背景は、花、大理石、トロピカル、ビーチ、テーブルの上など、多様なテーマに沿って生成されます。また、プロンプト入力や既存の画像をもとにした背景生成も可能です。
画像生成
AI画像生成ツールは、一から画像を作成するためのツールです。プロンプトを入力するだけで要件に合った高品質な画像を生成できるため、写真素材を探したり撮影を手配したりする手間を省けます。
例えば「自然光が注ぐ植物のある居心地の良いカフェ」など、作成したい画像を簡単に説明すると、ツールがプロンプトをもとに画像を生成します。要素の追加や削除、色の変更、構成の調整などを行い、思い通りの画像にカスタマイズしていきます。
プロンプト「自然光が注ぐ植物のある居心地の良いカフェ」をもとにPhotoroomがAI生成した画像
消しゴム
背景は変更せずに、画像から不要物を削除するときに役立つのが消しゴムツールです。
被写体から気をそらせてしまうような要素など、画像から削除したい部分を選択して消去します。不要物があった場所には、違和感が残らないよう自動的に自然な背景が生成されます。
その他のAIツール
Photoroomでは、上記以外にも様々なAIツールを利用できます。通常は手間のかかる作業を自動化し、高品質な画像が作成できるツールの一部を紹介します。
画像拡大ツール:元の写真で切れてしまっているオブジェクトをAIが復元・生成し、画像のサイズを拡大します。
オブジェクト追加ツール:簡単な説明を入力するだけで、画像の他の部分と自然に調和するオブジェクトが生成されます。
影作成ツール:被写体などにリアルで自然な影を付けます。
画質向上ツール:小さな画像や圧縮された画像など、低品質画像の解像度を向上させるツールです。
一括編集モード
Photoroomの一括編集モードは、一度に複数の画像に同じ編集内容を適用させることができる機能で、背景除去、サイズ変更、影の追加など、様々な作業に使用できます。
一度に一括編集できる画像は最大50枚で、同じスタイルの画像を何十枚、何百枚と作成しなければならない場合に、時間と労力を大幅に節約できます。
(千単位の画像を扱う大企業の場合、一括処理にはPhotoroom APIが適しています。)
「PhotoroomのAPI連携により、作業が今までよりスムーズに行えるようになり、大幅な時間短縮が実現できました。これまで1件だけだった広告も、TikTok、Facebook、Pinterestで、一度に7件同時に出せるようになりました」- Smartlyカスタマーサクセスマネージャー ハムザ・アブドゥ(Hamza Abdou)
Canvaの機能概要
Canvaは個人・企業ともに利用できるプラットフォームですが、機能の多さに圧倒されてしまうユーザーもいるかもしれません。そこで、Canvaがどんなユーザー向けなのかがわかるよう、一部の機能を紹介します。
デザインテンプレート
Canvaのデザインテンプレートもカスタマイズ可能です。数百万種類のテンプレートが用意され、「ビジネス」、「SNS]、「教育」、「動画」、「マーケティング」、「印刷用」、「カード・招待状」の7つの主要カテゴリーに分類されています。
テンプレートは、色、フォント、挿入画像、レイアウトなど、あらゆる要素をカスタマイズでき、アイコン、図表、イラストなどの追加要素を組み込むことも可能です。
さらにCanvaでは、プロのデザイナーが自作テンプレートを共有できるため、ライブラリが常に更新され、ユーザーはデザイントレンドが反映されたテンプレートを使用できます。ただし、無料テンプレートは商用利用が禁止されているため注意が必要です。
素材ライブラリ
Canvaの素材ライブラリには、写真、動画、イラスト、アイコン、図形など、1億点を超えるデザイン素材が含まれています。一部の素材は無料ですが、プレミアム素材は有料ユーザーのみ使用が可能です。
種類も豊富で、自然やライフスタイルから、ビジネスやテクノロジーまで、幅広いテーマの素材が揃っています。素材の中には色やサイズ、配置の変更が可能なものもあり、アイデアの表現や情報の視覚的伝達に便利です。
素材ライブラリの機能の中でも特に注目したいのが、入力データをもとに表、円グラフ、棒グラフなどを作成できるデータ視覚化ツールです。生成されたグラフも、デザインに合わせてカスタマイズ可能です。
ブランドキット
Canvaのブランドキットは、企業がデザインの一貫性を維持できるようにするための機能です。ブランドの公式ロゴ、カスタムフォント、色コード(HEX、RGBなど)を保存できるため、マーケティングやプレゼン資料、SNSコンテンツなどで、決まったデザインを使用しなければならない場合に役立ちます。
Canva ProおよびEnterpriseユーザーは、ブランドテンプレートも作成できます。保存された素材やデザインを繰り返し使用できるので、新しいコンテンツ作成時に一貫性を確保できます。
マジックスタジオ
マジックスタジオは、デザイン作業の簡素化を目的としてCanvaに最近導入されたAIツールです。マジックスタジオの機能の多くは有料ユーザーのみが対象となっていますが、デザインの下書きを作成できる「マジック作文」は、無料版でも利用可能です。
マジックスタジオの主な機能を紹介します。
マジックリサイズ:素材やコンテンツのサイズをワンクリックで変更します。例えば、Instagram投稿用コンテンツを、FacebookのバナーやX(旧Twitter)用などの新しいレイアウトに合わせて自動的にサイズ変更できます。
背景リムーバー:画像背景の自動削除・透過機能です。
マジック生成:プロンプトをもとに、動画、画像、イラストなどをAI生成します。
マジックアニメーション:デザインに自動的に動きをつけます。
ハイライト機能:動画の中から複数の場面を選んで短いクリップを生成します。
その他にも、マジック拡張、マジック切り抜き、マジック消しゴムなどがあります。ただし、これらの機能の多くはまだ実験段階ですので、精度が低い点に注意が必要です。「マジック生成」を使ってPhotoroomと同じプロンプトで画像を生成してみましたが、テーブルと椅子が歪んでしまい、Photoroomが生成した画像と比べて完成度が低いことがわかります。
プロンプト「自然光が注ぐ植物のある居心地の良いカフェ」をもとにCanvaがAI生成した画像
Canvaプリント
Canvaは主にデジタルプラットフォームとして機能していますが、印刷サービスも提供しています。Canvaプリントを利用すれば、名刺やポスター、招待状、パンフレットなど、幅広い媒体を印刷して自宅まで配送してもらえます。デザインが完成したら、「印刷」オプションをクリックして、媒体の種類、サイズ、仕上がり、数量を選択するだけです。製造から配送まではCanvaがすべて管理します。
Canvaプリントの配送サービスには国内および海外配送があり、国内の住所、または同じ地域の他の国に印刷したデザインを配送することができます。配送オプションは国や地域によって異なる場合がありますが、Canvaは注文ができるだけ早くユーザーに届くよう取り組んでいます。
CanvaとPhotoroomそれぞれの使用場面
用途や対象ユーザーが異なるCanvaとPhotoroomですが、ここからは、どんな場合にどちらのプラットフォームを利用すればいいのかを、デザインプロセスの例を挙げて見ていきましょう。
ECサイト用の商品画像作成→Photoroom
例えば、手作りのアクセサリーを販売するオンラインストアを経営しているユーザーがいるとします。Etsyのようなプラットフォームにも出品しているため、様々なタイプの商品の中でも目を引く商品画像が必要です。新作アクセサリーの写真を撮影しましたが、背景に余計なものがたくさん入ってしまいました。アクセサリーに焦点を当てた、すっきりとした見やすい商品画像を作成したいと考えています。また、サイトごとの要件に合わせて画像を一枚一枚トリミングするのは時間がかかりすぎるので、統一感を損なわずに画像を素早く編集できる方法を探しています。
このユーザーにおすすめするツールはPhotoroomです。以下に理由をまとめました。
AI背景削除機能を使えば、被写体だけをきれいに残して、ごちゃついた背景を瞬時に削除します。
背景色の変更や新しい背景の追加・生成も可能です。
ECサイトで決められている画像サイズを選択すると、画像が自動的にトリミングされます。
明るさ調整や影追加機能で画像に奥行きを加え、商品を魅力的に見せることができます。
一度に最大50枚の画像を処理できる一括編集モードを使用すれば、デザインの一貫性が維持できます。
Photoroomを使えば、時間をかけずにアクセサリーの美しさを引き立てる画像を作成し、様々なウェブサイトやSNSで統一感のある画像を使用できます。
複数のマーケティングキャンペーン資料のデザイン→Canva
健康・ウェルネス業界のとある小企業が新しいサプリメントを発売します。この企業のマーケティング部長は、SNSコンテンツ、メールのヘッダー、パンフレット、ウェブサイトのランディングページ、クライアントとのミーティングで使用するプレゼン資料など、様々なプロモーション資料を作成しなければなりません。そこで、プラットフォームやフォーマットが異なっても、すべての資料で同じブランドデザインを使用したいと考えています。
この場合は、Canvaを使用するのが正解でしょう。以下がその理由です。
ブランドキットを活用すれば、テンプレートにブランド要素を追加してカスタマイズできるため、キャンペーン全体を通して統一感のあるデザイン素材を使用できます。
コラボレーション機能は、チーム内のデザインの共有や意見交換、タスクの割り当てなどに便利です。また、外部パートナーともやり取りができ、リアルタイムでの進行状況の確認やデザイン修正が可能になります。
動画ツールを使用すれば、SNS用に新製品のプロモーション動画を作成できます。コンテンツに動きやキャプション、音楽を追加できるため、専門の動画編集ソフトがなくても、魅力的でプロ品質の動画広告を作成できます。
印刷・配送サービスも行っているため、パンフレットや名刺など、高品質な印刷媒体を直接自宅で受け取ることが可能です。
インフルエンサーのUGC・スポンサー投稿の作成→Photoroom
SNSに定期的にコンテンツを投稿している美容系インフルエンサーの例を見てみましょう。スキンケア製品の宣伝用写真をフォトスタジオで撮影する予算も、複雑なデザインソフトで写真を編集する時間もないので、画像の背景除去・画質全体の向上を素早く行える方法を探しています。
Photoroomを使えば、写真の背景を数秒で削除し、他の背景と入れ替えることが可能です。投稿する画像すべてに同じ背景、影、照明設定を使用できるため、統一感のある見やすいコンテンツになります。
企業のプレゼン資料・提案書のデザイン→Canva
今度は、スタートアップ企業の創業者が、投資家とのミーティングの準備をしているところを想像してみましょう。ビジネスモデルや市場調査の結果、事業の成長可能性などを明確に伝える魅力的なプレゼン資料が必要です。さらに、ウェブサイトやSNSアカウント用にロゴなどの基本的なブランド要素も作成しなければなりません。
この場合には、プレゼン資料や提案書のテンプレートが豊富に用意されているCanvaが正しい選択肢であることはお分かりだと思います。テンプレートは、色やフォント、プレゼン内容の配置などのカスタマイズが可能です。
さらに、図表など、データを共有する際に役立つ要素が組み込まれたスライドも用意されています。これらの要素を効果的に活用すれば、高度なデザインスキルがなくても、財務予測、市場動向、成長戦略などを見やすい形で表示できます。
小企業の新商品発売に向けた商品撮影→Photoroom
最後の例は、ハンドメイドソープ、ローション、エッセンシャルオイルを販売するオーガニックスキンケアブランドです。新商品を発売するにあたり、ウェブサイト、SNS広告、プロモーション資料用の商品写真が必要です。しかし、プロのフォトグラファーを雇う予算も、画像一枚一枚を編集する時間もないため、商品写真をまとめて短時間で編集する方法を検討しています。
小企業には商品撮影専用のスペースがない場合があります。しかし、自宅や作業場で撮影した写真でも、編集次第ではビジネスに使用することができます。Photoroomを使えば、写真の背景を商品の特徴を引き立てる画像と入れ替えることができます。
また、洗面所など商品の使用場面を想定した背景を生成することも可能です。どの画像にも同じスタイルの背景を使用できるので、すべてのコンテンツにおいてデザインの一貫性を保つことができます。
Photoroomのプラン別料金と利用可能な機能
Photoroomには、無料版に加えて、週単位、月単位、または年単位の有料プランが3種類(Pro、Teams、Enterprise)あります。年額は月額や週額に比べて47%お得です。また、大企業用のPhotoroom APIにもBasic、Plus、Enterpriseの3種類の料金プランがあり、利用には1,000枚以上の画像が必要です。
無料版:新規ユーザーがアカウント作成時に利用できるのは無料版で、背景削除ツールの利用と、最大250枚の透かしなしの画像の保存が可能です。無料版では他のAIツールや一括編集機能の利用、高解像度での保存はできません。
Pro:週600円、月1,500円、年9,900円のプランです。すべてのAIツールへのアクセスに加え、一度に最大50枚の画像を一括編集し、高解像度でエクスポートできます。
Teams:年間9,900円のプランです。プラン加入ユーザーと、他2人のユーザーを合わせた合計3人が1チームとなります。Proユーザーと同じ機能に加えて、チームテンプレートが利用できます。近日中にブランドキットも作成できるようになる予定です。チームにユーザーを追加する場合は、1人あたり年間9,900円の追加料金が発生します。すでにProプランを利用している場合は、Teamsプランに変更すれば、無料で2人のユーザーをチームに追加できます。
Enterprise:チームのメンバーが多く、上記のプランでは対応できない大企業向けのカスタム料金プランです。
PhotoroomのAPIを利用するユーザーには、異なる料金プランが用意されています。API Basicは画像1枚あたり2セントですが、画像1,000枚からのみ利用が可能なため、最低料金は月額20ドルとなります。このプランには、背景の削除や色を変更できる「背景削除API」や、トリミングやサイズ変更の一括処理機能が含まれます。
API Plusでは、画像は1枚あたり10セントです。このプランも利用開始には画像が1,000枚以上必要なため、最低料金は月額100ドルとなります。API Plusユーザーは、「背景削除API」と、AI背景生成やAI影生成などの生成AI機能を含む「画像編集API」の両方にアクセスできます。API Enterpriseは、年間契約と100,000枚以上の画像が必要なカスタム料金プランです。
Canvaのプラン別料金と利用可能な機能
Canvaにも、無料版と、月単位・年単位の有料プランが3種類(Pro、Teams、Enterprise)あります。年間プランは、月間プランと比較して16%以上の節約が可能です。また、K-12教育機関(幼稚園から高等学校まで)と非営利団体向けの専用プランも用意されています。
無料版:無料版では、5GBのクラウドストレージ、100万種類のテンプレート、1,000種類以上のデザインタイプ、Canvaプリント、一部のAI生成機能、300万点の写真素材、動画素材、イラストを利用できます。ただし、ブランドキット、プレミアムテンプレート、オーディオ素材、マジックツール全般、およびオンラインカスタマーサポートは利用できません。
Pro:月額1,180円で、年間一括払いの場合は8,300円です。このプランでは、すべてのテンプレート(約500万点)にアクセスできます。また、マジックツール(AI機能)や、写真、動画、イラスト、オーディオを含む1億点を超える素材の利用も可能です。さらに、コンテンツプランナーを使用すれば、SNSアカウントで予約投稿を管理できます。
Teams:1人あたり年間15,000円のプランです。チームの形成には3人以上のユーザーが必要なので、合計料金は最低45,000円になります。Proのすべての機能に加え、チームレポートと管理機能にアクセスできます。
Enterprise:大企業向けにデザインプロセスの管理ツールを提供するカスタム料金プランです。
Canvaは、非営利団体向けにProアクセスを提供する「Canva for NPO」や、教師・学生がプレミアム機能を利用できる「Canva教育版」など、特別な料金プランも用意しています。教育版は、学習管理システムとの統合、教育機関に適したコンテンツ、地域単位でのアクセスなど、専用の機能を備えています。
CanvaとPhotoroom、デザインツールとして優れているのはどっち?
両ツールはそれぞれ使用目的が異なるため、どちらが「優れている」かは一概には言えません。
しかし、Photoroomなら予算を気にせず高い効率性と品質の両方を実現できます。また、モバイルアプリの機能が充実しているので、机に向かってパソコンで作業する必要もありません。
Google Playストア・App StoreでモバイルアプリをダウンロードするかWeb版にアクセスして、画像の編集作業を効率化しましょう。
Photoroom・Canvaに関するよくある質問
両ツールを一緒に使用できますか?
できます。例えば、Photoroomで補正や背景削除などの編集を行った商品画像を、CanvaでSNS投稿、プレゼン・マーケティング資料などの広範なデザインコンテンツに組み込むことができます。
Photoroomは背景削除専用ツールですか?
Photoroomは高精度の背景削除機能で知られていますが、その他にも、背景生成、影の追加、色の調整、エフェクトの適用など、画像の編集・加工に役立つ機能が多数含まれています。
初心者に適しているのはどちらのツールですか?
どちらも初心者でも使えますが、Canvaの機能はPhotoroomよりも数が多く、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
翻訳/太田晶子

